日本最大の太陽光利用型植物工場完成
7/4日経産業新聞 三重発―うれし野アグリ、国内最大級の植物工場運営、オランダと日本の技術統合（輝く）
日本最大の太陽光利用型植物工場
・LED型の最大の工場は、スプレッドさんですが、太陽光利用型の大型工場が完成しました。
オランダ型の植物工場です。廃熱利用でプラスポイントがありますが、 日本の風土に合っていないのが、他の工場で見受けられます。欧州ではうまくいったが、日本では障害がでています。
日本は、日中や季節の変わり目で、寒暖の差が激しく、㈱誠和さんのトマトパークにおいては制御システムが制御しきれない現状があります。また換気の際の強い風対策も苦労しています。
・ミニトマトの収穫量1000平米㎡25トンを目指しているようですが、知り合いの土耕ハウス農家さんは、高品質のミニトマトを、1反=10a＝1000㎡で20トン収穫できます。栽培期間を延ばせば、25トン可能です。
イニシャルコストが7億円（補助金もあり）で、20,000㎡の植物工場です。
・ビニールハウスのイニシャルコストは、１０ａ＝１反＝1000㎡あたりノーマル800万円、付帯設備付きで1200万円程度
・ここの植物工場は、10a＝3500万円（木質バイオマス施設は含まず）ちなみに㈱誠和のトマトパークは1反=10aで1億円です。
トマトパークより安く導入できています。
うれし野アグリ（三重県松阪市、辻保彦社長）は国内最大級の「植物工場」を運営する。農業先進国オランダの太陽光利用型ガラスハウスを採用し、工場の廃熱などを活用し収穫量を高めた。今季は約５００トンのトマトを生産する計画だ。
食用油メーカーの辻製油（松阪市）とトマト栽培のノウハウがある浅井農園（津市）、三井物産が共同出資して２０１３年４月に設立
した。辻製油本社工場の隣接地に１４年秋、経済産業省の補助金などを含め総事業費約７億４０００万円をかけ栽培面積２万平方メートルの植物工場を完成させた。
オランダの植物工場を参考にしたガラスハウスは、太陽光を効率よく取り込むため天井高が約７メートルと通常のハウスの２倍以上ある。約１５０メートル離れた製油工場の廃熱を冬場の暖房用熱源に利用し、木質バイオマス蒸気も活用してエネルギー費用を低減。栽培面積１千平方メートル当たり２５トンと通常のミニトマト農家の３～４倍の収穫量を実現した。
「生産効率の高いオランダの栽培技術と、おいしい野菜を育てる日本の栽培技術を統合して新しいモデルをつくった」。うれし野アグリの取締役を兼ねる浅井農園の浅井雄一郎社長は説明する。ハウス内の温度や湿度、二酸化炭素（ＣＯ２）濃度をコンピューターで制御し、肥料の混合などにも工夫を凝らした。
１本の房に１２個の実が付いた「房どりトマト」の価格は３００円前後。甘くて濃厚な味と日持ちのよさが好評で、出荷先は全国に広がった。中部圏が３割、関西が３割を占め、関東へも２割を出荷している。香港やシンガポール、ロシアなどに試験輸出もした。
昨年９月、２億円を投じて集出荷・加工施設を新設。出荷量も右肩上がりで伸び、１６年は３億３０００万円、１７年は４億円の売上高を見込む。来年夏までに新たなハウス（栽培面積１万２千平方メートル規模）を増設する計画も進めている。
２０年の東京五輪・パラリンピック向け食材の調達基準をクリアするため、農産物の安全性を示す「グローバルＧＡＰ（農業生産工程管理）」を来春までに取得する準備を始めた。
工場にはパートも含め３人の障害者が働く。今後も障害者の農業就労を支援する「農福連携」に積極的に取り組む考えだ。辻社長は「障害者を含めた地域の雇用に貢献し、新しい農業のモデルケースとして全国に広めたい」と話している。（津支局長 岡本憲明）
《会社概要》
▽本 社 三重県松阪市嬉野新屋庄町５６５の１
▽事業内容 房どりミニトマトの生産・販売
▽従 業 員 ７人（春から夏の繁忙期にはパート約８０人）
▽売 上 高 約４億円（２０１７年１２月期予想）
日本最大の太陽光利用型植物工場
・LED型の最大の工場は、スプレッドさんですが、太陽光利用型の大型工場が完成しました。
オランダ型の植物工場です。廃熱利用でプラスポイントがありますが、 日本の風土に合っていないのが、他の工場で見受けられます。欧州ではうまくいったが、日本では障害がでています。
日本は、日中や季節の変わり目で、寒暖の差が激しく、㈱誠和さんのトマトパークにおいては制御システムが制御しきれない現状があります。また換気の際の強い風対策も苦労しています。
・ミニトマトの収穫量1000平米㎡25トンを目指しているようですが、知り合いの土耕ハウス農家さんは、高品質のミニトマトを、1反=10a＝1000㎡で20トン収穫できます。栽培期間を延ばせば、25トン可能です。
イニシャルコストが7億円（補助金もあり）で、20,000㎡の植物工場です。
・ビニールハウスのイニシャルコストは、１０ａ＝１反＝1000㎡あたりノーマル800万円、付帯設備付きで1200万円程度
・ここの植物工場は、10a＝3500万円（木質バイオマス施設は含まず）ちなみに㈱誠和のトマトパークは1反=10aで1億円です。
トマトパークより安く導入できています。
うれし野アグリ（三重県松阪市、辻保彦社長）は国内最大級の「植物工場」を運営する。農業先進国オランダの太陽光利用型ガラスハウスを採用し、工場の廃熱などを活用し収穫量を高めた。今季は約５００トンのトマトを生産する計画だ。
食用油メーカーの辻製油（松阪市）とトマト栽培のノウハウがある浅井農園（津市）、三井物産が共同出資して２０１３年４月に設立
した。辻製油本社工場の隣接地に１４年秋、経済産業省の補助金などを含め総事業費約７億４０００万円をかけ栽培面積２万平方メートルの植物工場を完成させた。
オランダの植物工場を参考にしたガラスハウスは、太陽光を効率よく取り込むため天井高が約７メートルと通常のハウスの２倍以上ある。約１５０メートル離れた製油工場の廃熱を冬場の暖房用熱源に利用し、木質バイオマス蒸気も活用してエネルギー費用を低減。栽培面積１千平方メートル当たり２５トンと通常のミニトマト農家の３～４倍の収穫量を実現した。
「生産効率の高いオランダの栽培技術と、おいしい野菜を育てる日本の栽培技術を統合して新しいモデルをつくった」。うれし野アグリの取締役を兼ねる浅井農園の浅井雄一郎社長は説明する。ハウス内の温度や湿度、二酸化炭素（ＣＯ２）濃度をコンピューターで制御し、肥料の混合などにも工夫を凝らした。
１本の房に１２個の実が付いた「房どりトマト」の価格は３００円前後。甘くて濃厚な味と日持ちのよさが好評で、出荷先は全国に広がった。中部圏が３割、関西が３割を占め、関東へも２割を出荷している。香港やシンガポール、ロシアなどに試験輸出もした。
昨年９月、２億円を投じて集出荷・加工施設を新設。出荷量も右肩上がりで伸び、１６年は３億３０００万円、１７年は４億円の売上高を見込む。来年夏までに新たなハウス（栽培面積１万２千平方メートル規模）を増設する計画も進めている。
２０年の東京五輪・パラリンピック向け食材の調達基準をクリアするため、農産物の安全性を示す「グローバルＧＡＰ（農業生産工程管理）」を来春までに取得する準備を始めた。
工場にはパートも含め３人の障害者が働く。今後も障害者の農業就労を支援する「農福連携」に積極的に取り組む考えだ。辻社長は「障害者を含めた地域の雇用に貢献し、新しい農業のモデルケースとして全国に広めたい」と話している。（津支局長 岡本憲明）
《会社概要》
▽本 社 三重県松阪市嬉野新屋庄町５６５の１
▽事業内容 房どりミニトマトの生産・販売
▽従 業 員 ７人（春から夏の繁忙期にはパート約８０人）
▽売 上 高 約４億円（２０１７年１２月期予想）
