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あぶない農業と儲かる農業

イオンアグリ成功の秘訣

2017/06/22
農業法人 0
6/22 日経産業新聞より抜粋  イオンアグリ創造福永庸明社長―企業の農業、ITで耕す
①個々の栽培技術を集約し、データ化、IT分析することで、安定生産を可能に
②栽培グループには、価格保証(買取)を不作豊作に関係なく、実行し信頼関係を築く。
③変形労働時間制の導入で、週の平均労働時間を超えなければ、法定時間を超えて働くことができる制度を活用し、労働効率のアップを図る。
 イオンアグリ創造(千葉市)はイオングループで農業を手掛ける。設立から8年で農場は21カ所と、大企業の農業では順調に育ってきた。社長の福永庸明(47)は事業の立ち上げから携わる。企業の農業経営を突き詰めれば、「家族経営」を脱することIT(情報技術)などを取り入れながら歩みを進めている。  
1月、福永はイオンアグリの「日高農場」(埼玉県日高市)で畑から抜いたばかりの「聖護院大根」を手渡された。若い従業員が手塩にかけて育てた京野菜はまるまると太ってずしりと重い。
「有機JAS」取得  日高農場は0・13ヘクタールの圃場で同社で初めて日本農林規格(JAS)に基づく「有機JAS」の認証を取った。有機マークを付ければ価格を高めにしやすい。「いずれすべての農場で」。そう話す福永のまぶたの裏に浮かぶ光景がある。  畑が黄色い花に埋め尽くされた。2009年に設立したイオンアグリが農業を始めてすぐのこと。茨城県牛久市の第1号農場ではコマツナが早く育ち過ぎて売り物になる収穫期を逃し、咲かせてはならない花が咲いた。初歩的な失敗だ。  自前で参入したイオンに農業の知識や経験はなかった。プロの農家のノウハウを獲得・蓄積するためにITの活用にたどり着いた。  
社長に就いた12年、富士通の協力を得て「データ農業」を始めた。圃場にセンサーを付け、肥料の散布量や時期、土壌の成分や温度、作業履歴などを蓄える。全農場で従業員の作業を全地球測位システム(GPS)を使って記録。畑や作物の様子を撮影し、トラブルが発生した際の原因特定や対策立案をしやすくしている。個人が試行錯誤の末に獲得してきた「経験知」をITで取り入れた。  放置されたままの耕作放棄地を使うと事業を軌道に乗せるまでに土壌の改良などで3~5年かかったが、最新の農場では「初年度から黒字を目指せるようになってきた」。 運命の大根事件  福永にはイオンアグリに携わることが運命づけられていたかもしれない。  
イオングループのスーパーで農産品の仕入れを担当していた02年、生産者に頼み込んでプライベートブランド(PB=自主企画)の大根を作ってもらった。農薬の使用法などを指定。販売価格はケース1200円で約束していた。  
だがその年は大豊作で相場が暴落。相場はケース200~400円になった。まったく売れず、責任を感じた福永は月給の全額を入れた封筒を生産団体の部会長宅に置き、冷蔵庫に残った大根をありったけ車に積んで帰った。翌日、部会長が訪ねてきて「作ると言ったのは俺だ」と封筒を置いていった。福永の相談を受けた上司は大根の全量仕入れを決め、損失をかぶった。作る者の誇りと仕入れる者の責任を痛感した。  
07年、福永に農業参入のサブリーダーの辞令が出た。大根事件で仕入れを決めた当時の上司が指名した。イオンアグリでは生産や管理の本部長を務めた。  
社内で「天候のせいにするな」と繰り返す。外部要因の影響を受けるのは競合店の出店がある小売業も同じ。「影響を受けるのは仕方なくてもマイナス100になるところをいかに80や50にするか」を問う。  
今、心を砕いているのが勤務制度だ。農地は社員が耕す。時期や天候によって作業に大きく繁閑があり、限度を超えた長時間労働を招きやすい。そこで平均労働時間が週40時間以下なら特定の週や日に法定時間を超えて働ける「変形労働時間制」を検討している。本社や現場、女性、身体障害者らの横断的なチームで改革案を作ろうとしている。  
毎日3時間の読書を決め、ケインズやシュンペーターら経済学者の著作から量子力学の解説書、ニーチェの詩集まで読む。広く社会に関心を持つ人材を育てるプログラムで取り上げることもある。「若い人が農業をしたいと思える環境作りが使命」と言う。  
生来の負けず嫌い。「志を果たすためには負けられない勝負がある」。静かな語り口ながら意志は強い。=敬称略 (中川雅之) 【表】全国で21カ所に広がった(主な農場)    場 所 開 場 栽培品目の例  北海道三笠市(31) 
2014年1月 トマト、キャベツ、メロン  茨城県牛久市(16) 
09年7月 キャベツ、はくさい、こまつな(第1号農場)  埼玉県羽生市(31) 
10年10月 はくさい、玉ねぎ、こまつな、米  同県日高市(16) 
11年9月 キャベツ、はくさい、レタス(有機JAS認定を取得)  福井県あわら市(10) 
14年11月 キャベツ、スイートコーン、にんじん  大分県臼杵市(10) 
14年3月 キャベツ、ほうれん草、ズッキーニ 
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スマートネット山本
Admin: スマートネット山本
私は、IT・WEBデザインの会社を営んでいます。一般企業や個人の農業創業・開業のお手伝いを行う機会がふえたことで、農業創業コンサルが主たる業務になりました。全国で活動実績があり、野菜・果実・キノコ栽培のスタートアップ一式業務、行政申請、補助金申請、資金調達支援を行っています。個人では無農薬米の栽培とキノコ栽培を行っています。また天然植物ホルモン液を活用した農業技術指導者を擁しており、2021年より国連ECOSOC/NGO団体と提携し世界の農業振興・教育に携わっております。儲かる農業をテーマに、短期で黒字化になる農業をご案内しております。
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