巨大キャベツ復活?
1/12 気になった記事・・・日本経済新聞 地方経済面 北海道版より

かつて北海道では重さが20キログラムにもなる巨大キャベツ「札幌大球(たいきゅう)」が各地で栽培され、漬物の材料として使われていた。しかし、少子化や漬物を作る家庭の減少などにより需要が激減。道民の日常生活から姿を消した。札幌市では数年前からこの幻のキャベツを伝統野菜の一つとして復活させ、農業の付加価値向上につなげようという動きがある。
「今冬のニシン漬けの出来は上々」と高級漬物メーカー北彩庵(札幌市)の酒井秀彰社長は満足そうに話す。ニシンとキャベツを一緒に発酵させた漬物は冬の北海道を代表する食品。同社のニシン漬けは普通のキャベツではなく札幌大球を使う。「葉が肉厚で漬物にしてもへたらず、キャベツ特有の歯応えが残る」
最盛期は1000ヘクタールに
実は北彩庵が札幌大球を扱うのは今冬がまだ3回目。名前に「札幌」を冠してはいるものの、札幌大球は地元の人々にさえほとんど忘れ去られた存在だった。
札幌大球は重さ8~20キログラム前後と、大きいものは普通のキャベツの20倍近くある。開拓時代に海外から道内に持ち込まれた品種を掛け合わせ、改良の結果生まれた。札幌市の前農政部長で現在はJFEエンジニアリング北海道支店顧問の三部英二氏は誕生の理由を「農家が大きさを競い合ったほか、外側が凍結しても中の可食部が無事なので重宝された」と説明する。
札幌大球の栽培のピークは1935年ごろで作付面積は1000ヘクタールに達した。ただ、収穫は重労働。高齢化で栽培を断念する農家が増え、主要な産地である石狩市の厚田地区でも2007年に15戸ほどあった栽培農家が12年までに6戸(現在は3戸)に減少した。
札幌市の農業政策のトップだった三部氏は絶滅を危惧した。まず12年にイタリアのスローフード協会が認定する希少な伝統食材「味の箱舟」へ登録申請(15年に認定)。札幌市農業協同組合(JAさっぽろ)を通じて市内の複数の農家が栽培することも決まった。




かつて北海道では重さが20キログラムにもなる巨大キャベツ「札幌大球(たいきゅう)」が各地で栽培され、漬物の材料として使われていた。しかし、少子化や漬物を作る家庭の減少などにより需要が激減。道民の日常生活から姿を消した。札幌市では数年前からこの幻のキャベツを伝統野菜の一つとして復活させ、農業の付加価値向上につなげようという動きがある。
「今冬のニシン漬けの出来は上々」と高級漬物メーカー北彩庵(札幌市)の酒井秀彰社長は満足そうに話す。ニシンとキャベツを一緒に発酵させた漬物は冬の北海道を代表する食品。同社のニシン漬けは普通のキャベツではなく札幌大球を使う。「葉が肉厚で漬物にしてもへたらず、キャベツ特有の歯応えが残る」
最盛期は1000ヘクタールに
実は北彩庵が札幌大球を扱うのは今冬がまだ3回目。名前に「札幌」を冠してはいるものの、札幌大球は地元の人々にさえほとんど忘れ去られた存在だった。
札幌大球は重さ8~20キログラム前後と、大きいものは普通のキャベツの20倍近くある。開拓時代に海外から道内に持ち込まれた品種を掛け合わせ、改良の結果生まれた。札幌市の前農政部長で現在はJFEエンジニアリング北海道支店顧問の三部英二氏は誕生の理由を「農家が大きさを競い合ったほか、外側が凍結しても中の可食部が無事なので重宝された」と説明する。
札幌大球の栽培のピークは1935年ごろで作付面積は1000ヘクタールに達した。ただ、収穫は重労働。高齢化で栽培を断念する農家が増え、主要な産地である石狩市の厚田地区でも2007年に15戸ほどあった栽培農家が12年までに6戸(現在は3戸)に減少した。
札幌市の農業政策のトップだった三部氏は絶滅を危惧した。まず12年にイタリアのスローフード協会が認定する希少な伝統食材「味の箱舟」へ登録申請(15年に認定)。札幌市農業協同組合(JAさっぽろ)を通じて市内の複数の農家が栽培することも決まった。



