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あぶない農業と儲かる農業

肥料高騰・鶏糞の是非!

2023/03/20
農業技術 0
3/20 肥料価格が、高騰していることで、プロの農業者においては、いままで敬遠していた肥料も使わざるを得ないとし、使っています。
九州の大手の農業者数件に肥料についてお尋ねしました。

<主な声>
・単肥肥料が手に入らなくなった。
 ブレンド肥料は、価格が割高なので、今まで使っていたが、手に入らない。
・鶏糞をしかたなくつかっている。
・焼き鶏糞を使っているが、これも手に入らなくなった。製造しているところが、非常に少ない。
・発酵鶏糞を使っているが、肥料焼けが出てくる。
 カルシウムが多いので、土が固くなる。
 PH調整がムづかしい
 土壌改良がしにくい
などの、声がありました。

「特に不足している肥料]
〇リン肥料
中国からの輸入に頼っていましたが、現在制限しています。国内では、モロッコからの輸入を増やしていますが、不足が続いています。

[肥料原料の輸入]
塩化カリウムなどカリ系肥料原料 50万トン
リン系肥料原料 30万トン
窒素系肥料原料 26万トン


肥料の3大成分は、窒素、リン酸、カリですが、リン酸はリン鉱石が原料です。リン鉱石の主な輸出国は中国5000万トン、米国3000万トンです。日本では、中国からの輸入が主で、その他モロッコ、南ア、ヨルダンとなっています。
リン酸を含む肥料では、「牛糞」や「鶏糞」がありますが、「鶏糞」はプロの農家では敬遠されていた肥料ですが、昨年より価格が安いことで、利用が増えています。



窒素系肥料原料は、硫酸/塩化/硝酸アンモニアなどです。
カリ系は、硫酸カリ*塩化カリが主です。

[畜糞の成分比較]

NPK
牛糞1.61.73.3
豚糞1.45.32.3
鶏糞3.56.53.5

この表を見ると、鶏糞の肥料成分は、多いですが、実際は、使いにくい肥料となっています。
(1)肥料成分が強く、肥料焼けを起こす。(アンモニア態窒素)
(2)カルシウム成分が多く、土が固くなる。




資材会社さんでは、一部の農業者が使っていた焼き鶏糞が、手に入らなくなっています。製造業者が極めて少ないためです。
焼き鶏糞は、肥料焼けが起こりにくいとされます。

肥料分析においては、ある学者は哺乳類が消化して排出した排泄物と、鳥類の排泄物のうち、リン酸は、成分が少し違うとのことを聞きました。(マタ聞きですが)また同じとしても、カルシウム成分が多く、臭いも強いので、醗酵などが必要です。一部で利用されている焼き鶏糞処理なので、使えるようですが、それでも土が固くなるなどの問題も出ることで、別の処理が必要なようです。ただ、価格が肥料に安価のため、現在、多くの農業者が昨年から利用しているようです。

知り合いの研究者は、鶏糞の使用を増やすと、経年土壌劣化などから、収穫量が落ちるところが出てくるとみていますが、、、、

OIP (1)
リン鉱石


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スマートネット山本
Admin: スマートネット山本
私は、IT・WEBデザインの会社を営んでいます。一般企業や個人の農業創業・開業のお手伝いを行う機会がふえたことで、農業創業コンサルが主たる業務になりました。全国で活動実績があり、野菜・果実・キノコ栽培のスタートアップ一式業務、行政申請、補助金申請、資金調達支援を行っています。個人では無農薬米の栽培とキノコ栽培を行っています。また天然植物ホルモン液を活用した農業技術指導者を擁しており、2021年より国連ECOSOC/NGO団体と提携し世界の農業振興・教育に携わっております。儲かる農業をテーマに、短期で黒字化になる農業をご案内しております。
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