フィルム栽培のその後
11/27 2015/9/15にフィルム栽培の記事を書きましたが、その後はどうかを述べます。
フイルム栽培とは、水の少ない地域で開発されたイスラエル製のフィルムを、栽培に応用した栽培方法です。
[画像①は、トマトのフィルム栽培の様子]
培地の部分に薄いフィルムが張ってあり、そこを水がわずかに流れる仕様です。
[画像②は、フィルム栽培の概要図(アイメックさんのHPより引用]
このフィルム栽培を導入した会社さんが、自分の知り合いのトマト農家の知り合いだったことで、5年前に視察しました。トマト栽培を福岡で行いたいという会社の方と一緒に視察しました。宮崎の都農町のわそう農園さんで、TVの鉄腕ダッシュでも紹介されてところです。
フィルム栽培のハウスは1棟だけで、あとはロックウールやココバックなどの培地での栽培面積が大部分を占めていました。良い品質のものをブランド品として、空港やクルーズトレイン七つ星に納品されていました。訪問した時に勧められたのは、自家製の潅水システムでした。フィルム栽培は、結構導入コストが高いらしく、おすすめされませんでした。それと、普通の栽培システムでの生育状態をみると明らかに、一般の栽培の方が良く実っていました。
[現在の動向]
最近、近隣の方々のお話を聞く機会がありましたが、一時TVにも出てもてはやされましたが、現在は落ち着いているようです。近隣地域では、フィルム栽培は、他に1件も普及していないとのことです。
理由は、収穫量が、一般のハウス栽培の半分以下とのことです。導入価格は高いし、収量は少ないので、だれもやらないよとのことでした。わそう農園さんは、販売力が高い経営者さんなので、そちらの力でうまくいっているが、普通の農家は無理とのことでした。
フィルム栽培は、水の少ない中東地域で行われています。日本ではアイメックが有名ですが、2009年から商社の双日がアラブ首長国連邦(UAE)で行っています。
世界で初めて、土の代わりに水分を保持する血液浄化フイルムを用いた植物栽培技術(フイルム農法)を開発したのはメビオール株式会社さんです。
サウジアラビアなどでは、点滴潅水栽培を大規模植物工場で行っているようです。
点滴栽培を開発したのも、イスラエルとのことで、イスラエルは食料自給率90%です。ちなみに日本の食料自給率は生産額ベースで63%、カロリーベースで38%(農林水産省R1)となっています。
社代表取締役社長 森有一様