サツマ芋基腐病
サツマ芋基腐(もとぐされ)病28都道府県へ広がる。
2022年11月現在、国内28都道府県(全国47)での、基腐病の広がり推移は以下の通り
2018年 沖縄県(11月) 鹿児島県
2019年 宮崎県 熊本県
2020年 長崎県 高知県 静岡県
2021年 岐阜県 群馬県 茨城県 東京都 千葉県 岩手県 愛媛県 福井県 埼玉県 山形県
北海道 石川県 鳥取県 長野県
2022年 広島県 徳島県 神奈川県 兵庫県 和歌山県
基腐病の特長
・基腐病は感染力が強く、抑え込みが難しい。基腐病がでると平均的に3割以上廃棄処分となり、採算がとれなくなる。
・収穫時には健全に見えた塊根が貯蔵中に腐敗することもある。
[画像①実に基腐病が入った様子]
[画像2は地下茎の根元が変色し、基腐病にかかっている様子]
〇対策は
とにかく消毒です、(土壌書毒、発病㈱の廃棄、定植前に消毒、農機具・資材の消毒)
そして、排水対策です。
〇現在の対応
・自分の知り合いでは、基腐病にかかりにくい品種に変更しています。
焼酎用いもでは、「みちしずく」の栽培が増えています。従来は「小金千貫」が主力でしたが、これは基布病に感染しやすいことで、酒造会社が苗の供給を行ったりしています。
[画像④は基腐病に強い品種みちしずく」
●国産のサツマイモは、海外人気が高く輸出が増えています。このため、数量を維持するために、全国的に契約栽培農家を増やし感染した可能性のあるサツマイモの苗が、広がりました。
●感染しているかどうかは、つくば分析センターなどで、リアルタイムPCR法 「サツマイモ基腐病の発生生態と防除対策(令和 3 年度版)第Ⅱ章基腐病の診断法」を用いて検査することが出来ます。
●基腐病がおさまらないことになることを予想して、流通にかかわる企業や農業生産法人などが、東南アジアなどで国産の品種の栽培をすでに始めています。これも考え物です。日本産のサツマイモは栽培とキュアリング技術(熟成)の発達で、糖度の高い製品を供給してきており、農業での雇用の機会を増やしていました。海外で生産するとなると、日本で開発した品種とキュアリング技術など海外でもできるようになりますので、どうかなと思います。