サツマイモ基腐病
5/25 関東と九州の農業法人さんから、昨日電話がありました。
サツマイモ基布病(もとぐされびょう)被害が、昨年から大幅に広がっている。対策はないかとのこことです。
[サツマイモ基布病(もとぐされびょう)とは]
基腐病は、Diaporthe destruens(ディアポルテ・デストルエンス)という糸状菌に感染することにより、苗床や本ほん圃ぽで発生する。貯蔵中の塊根にも発生する。また、収穫時には健全に見えた塊根が貯蔵中に発病し、腐敗することもある。収穫後は、圃場の罹病残渣中で病原菌が生き残り、次作の伝染源となる。発病株が少ないと、基腐病の発生に気付かないまま栽培を繰り返し、種苗や圃場の土壌の汚染が急速に高まる可能性がある。そのため、1年目はわずかな発病であったとしても、何も対策をとらずにいると、数年後には激発して収穫皆無となる恐れもあるとされています。
対策・・・現状では
(A-1)感染していない苗を選別して使う。
(A-2)完成していない苗に対し、定植時あるいは定植後に完成しないように処理する
●病気の原因は、菌類ですので、苗が感染していれば、耕作時、定植時、雨拡散などで広がっていきます。苗に関しては、契約栽培で提供された苗などは注意が必要です。沖縄から南九州で発生が確認され、サツマイモの海外・国内需要の増加で、契約栽培の栽培地が増えていることが原因かとおもわれます。
■感染した苗/感染の可能性のある苗
使わないこと、適切な処理が一番です。
■栽培中に、感染が確認された場合
すぐに、撤去が最善策
●発病を抑制する対策
天然植物ホルモン液で定植前に、ドブ漬けし定植する。植物ホルモン液のサイトカイニン・オーキシンの働きで植物の免疫力を向上することで、基腐病菌の発病を抑える可能性が高くなります。
各種の野菜の炭疽病対策などでは、ほぼ成功しています。(私共が取り扱っていますが、供給量はすくない資材です)
●発病した農地の対策
基腐病菌の活動を抑制するには、善玉菌が活躍する土壌にすることで、善玉菌>日和見菌>悪玉菌の環境になり、活動が起きにくくなります。某教授が開発した微生物ブレンド資材が、効果があるとのことです。(私共もいろいろな方面で、利用しています。米国FDA登録資材です)