サツマイモ基布病の登録農薬
5/6 2018年から南九州で発生したサツマイモ基腐病は、全国21都道府県に広がっています。基腐病は感染力が強く、広がりを防ぐのが難しいのが特徴です。
最近、このサツマイモ基腐病の農薬が発売されました。
サツマイモ基腐病の登録農薬「アミスター20フロアブル」を販売するシンジェンタジャパン(東京都中央区)などは、同剤の予防散布を呼びかけている。2021年は発病確認後の散布が目立ち、効果が限定的だったという。1回目の散布は、発病の有無にかかわらず、苗消毒の効果が低下する定植後5週目ごろの実施を推奨する。


・アミスター20フロアブル・・・私共も、イチゴの灰カビ病で使っていたものです。サツマイモ基布病へも登録農薬になっていました。これは、「シメジ(マツカサキノコ)の一種である食用きのこから発見された天然生理活性物質(ストロビルリン類)に由来する殺菌剤で、作用性としては病原菌細胞におけるミトコンドリア内の電子伝達系に働き、呼吸を阻害します。」
同剤は21年から同病向けに使えるようになった。だが、21年の防除や被害の実態から、同社は「目視で発病を確認した段階の散布では効果が弱かった」とみる。病原菌の感染前や感染初期に、予防的に散布するのが最も効果が高いという。同病は圃場(ほじょう)にたまった水などを通じて感染するため、できるだけ降雨や台風の前に散布する。同剤の使用回数の上限は3回。同社は2回目を7、8月の長雨前、3回目は台風前の散布を呼びかける。この時期は葉が畝間を覆って地上散布が難しいため、同社はドローンや無人ヘリコプターでの散布を勧める。
農研機構や鹿児島県の対策マニュアルも、苗消毒の効果が低下する定植後5週目ごろ、予防・殺菌効果のある同剤や、銅剤「ジーファイン水和剤」「Zボルドー」を散布するよう記載。同機構のマニュアルではその後、これらの薬剤や「トリフミン水和剤」(登録審査中)を台風や豪雨前に散布するよう促す。薬剤への抵抗性を付けさせないよう同じ薬剤を連続して使わずローテーションでまくよう注意する。予防散布できなかった場合は降雨後に速やかにまくよう促す。