もの補助などの採択傾向
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補助金を使って栽培事業を起こしたい事業さんが、よく相談にこられます。
農林水産業の制度もありますが、個人事業者や中小企業が利用しやすいのが、中小企業庁の「ものづくり補助金」や「事業再構築補助金」があります。このうち、事業再構築補助金は、前回より農林水産業は除外され(6次産業はOK)たため、「ものづくり補助金」の制度に事業を乗せるように、皆さんいろいろ考えておられます。
その「ものづくり補助金」を最近申請され不採択だったかたの「不採択理由」をお聞きすると、
①事業性の確立・・・販売先が開拓されているか?
②収益性・・・妥当か、裏付けはしっかりしているか?
③その事業に「新規性」「革新性」のあるか?
④事業者の強み・努力がうまくいかされているか?
⑤クラウドファンディングを利用しての市場調査はできているか?
のコメントが多くありました。
①②は、当たり前です。
③は、過去に拠点のある県で採択された案件は、不採択になりやすいので、わかります。
④は、単に機械を購入しただけで、だれでもできるの?と突っ込まれますので、自社の強みや努力の
形跡が必要です。
⑤今回びっくりしたのは、”クラウドファンディングによる市場調査をしたか?”とのコメントがあったことです。「そこまで求めるの?」と思います。クラウドファンディングは、利用したり、手伝ったりしたことがありますが、なかなか大変です。斬新な機械製品やアイデア商品は面白いですが、農作物生産では、資金を集めたり、情報を集めたりの件数を上げるのに大変です。
審査側から見ると、補助機事業で作った商品が、本当に計画通り売れるかとの疑問があれば突っ込まれということだと思います。
審査する側は、経営のプロですが、広い事業分野に精通はないので、非常に狭い市場を狙った生産・製造活動は、厳しくみるのではと思います。このあたりは、書き方で解消できるとおもわれます。
そんなに特殊な機械・技術を導入して、そんな狭い市場で販売するの?とみられているのではと思います。「新規性・革新性」に偏りすぎた場合は、「事業性」が疑われることになるようです。
ものづくり補助金で最近採択された1例は「わさび植物工場」があります。
わさびは栽培方法が特殊で、栽培環境を作らないといけませんが、需要は大きいため、事業化できれば収益性は確保できそうですので、有望な事業だと審査する側にも伝わりやすく、採点も高めになりやすいと思われます。
農業では、機械や環境制御する機械・施設を導入した事業性のある計画がいいのかなと思います。
私共もお手伝いしたところは、機械(ハード)と技術(ソフト)の組合せに自社の強みを乗せる形で採択された事業者さんが多数ありました。
農業で使用する資材の生産、農業で使う機械の開発、農業で機械・設備の導入などは、いろいろありそうです。