遺伝子組み換え農産物の是非
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大豆、ジャガイモ、トウモロコシなどで多く導入されているのが、遺伝子組み換えの品種開発です。
新しい品種、新たな性質を持つ品種を作り出す取り組みとして、昔から取り入れられていたのは、同種の作物を掛け合わせ「品種改良」として、作り出す技術があります。国内の多くの、野菜・果実などで多くの研究が行われ、イチゴ、ブドウ、ジャガイモなど優秀な品種が生み出されています。
これらは、長期間かけて交配を繰り返し、当然変異を交え、品種を改良してきた技術です。
この長期間の交配による変異期待には、手間がかかります。そこで、他の植物や動物の細胞から取り出した遺伝子を組み替え、新たな性質を持たせる「遺伝子組み換え」の技術が、目的とする性質を得るための手段として、短期で成果が得られることで、研究が進みました。
■日本で販売されている遺伝子組み換え作物は以下の通りです。
[厚生労働省資料: 遺伝子組み換え食品の安全性より」
作物 | 性質 |
大豆 | 除草剤で枯れない |
特定の成分を多く持つ | |
ジャガイモ | 害虫、ウィルス病に強い |
なたね | 除草剤で枯れない |
トウモロコシ | 除草剤で枯れない 害虫に強い |
わた | 除草剤で枯れない 害虫に強い |
甜菜 | 除草剤で枯れない |
アルファルファ | 除草剤で枯れない |
パパイヤ |
ウィルス病に強い |
・遺伝子組み換え作物は、除草剤や病気に強い性質を利用して、世界中で約2億万ヘクタールほど拡大しています。
■遺伝子組み換えのデメリット
遺伝子組み換えの作物を食べたら、アレルギーの原因になるとの指摘があります。農林水産省によれば、この可能性は極めて低いとしています。しかし、発がん性があることが指摘されています。また、農薬に強い作物を作り続けた農地は土壌汚染や水質汚染が引き起こされています。さらに、花粉が隣地にとび、交配する可能性があります。
■遺伝子組み換えからゲノム編集へ
他の植物や動物の遺伝子を組み込む遺伝子組み換えから、ゲノム編集の方が安全だとし、研究が進みました。別のものから遺伝子をもってくるのではなく、遺伝子そのものを切り取り・貼り付けるゲノム編集は、遺伝子の「カット&ペースト」技術です。
代表的なものは、ジャガイモの芽になる部分に毒性のあるソラニンが合成されないように遺伝子をカットした技術があります。またGABAを多く含むトマトもあります。魚や動物でも研究開発が進んでいます。
しかし、遺伝子をカットすることによって、別の性質もなくなり、弊害も多く出てきている作物も多くなっています。
知り合いの実験農場では、やたらと病気によわいトマトになってしまい、収量があがらないといった弊害が実際でています。カットした遺伝子が持っている別の性質が失われたようです。