植物ホルモンと除草剤
植物ホルモン 代表的5種類 |
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項目 |
内容 |
オーキシン |
細胞の伸長、(細胞壁のセルロース繊維をゆるめ、吸水を促進)、細胞分裂の促進、花床の成長、落果・落葉の防止、頂芽優性、単為結実の促進 代表的な物質は「インドール酢酸」 |
サイトカイニン |
細胞分裂の促進=カルス(未分化細胞)の発生促進、オーキシンとの相互作用で、細胞分化を調節、側芽の成長促進、気孔の開孔 葉の老化抑制(タンパク質や核酸合成の維持、物質や水分の誘引とその保持) 代表的な物質は「カイネチン」 |
アブシシン酸 |
発芽抑制、気孔の閉鎖、芽や種子の休眠の維持、老化促進 |
ジベレリン |
細胞の縦方向への伸長(細胞壁のセルロース繊維の合成方向の制御)、 種子の休眠の打破・発芽促進、 花粉・胚珠の形成阻害(種子無しブドウ)・受粉なしの果実肥大、 開花に対する効果(長日植物の開花促進、低温処理の代用) |
エチレン |
果実の成熟、落果・落葉の促進(離層形成の促進)、 細胞の横方向への伸長、開花の調節、重力屈性の消失 |
・除草剤には、植物ホルモンを混乱もしくは、暴走させ枯らしてもらうものが多くあります。(茎葉処理型除草剤もあります)これは、植物の成長を加速させ、栄養飢餓にさせ枯らします。枯葉剤の24-Dなどがこれに当たります。この暴走作用をうまく使えば、成長剤になります。除草剤を非常に薄く使うと、成長を促進します。すると、植物はすぐに、成長が促進されますが、植物ホルモンもすぐ切れていまい、成長をコントロールする機能がなくなり、葉茎だけ伸びる生体になり、実が付きにくくなります。現在、市販されている活性剤のほとんどは、この機能を利用したものです。葉物野菜では効果がありますが、硝酸態窒素を貯め込みやすくなります。実を着けるものは、生殖=老化のスイッチが入りにくくなりますので使い方に注意が必要です。
理化学研究所では、植物ホルモンの最先端の研究をしていますが、現在存在している植物ホルモンはすべて合成ホルモンと言われています。このため、植物に対する適合性が低いといわれ、実験では10%以下の成功率しかないと言われています。場合によっては、1/1000の確立ともいわれております。