営農発電規制一部撤廃?
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農水省は、2021年度より荒廃地での太陽光シェアリングの許可基準を緩和しました。
長年利用されていない荒廃地、今後も耕作の見込みのない耕作地の設置が緩和の動きです。
規制緩和の対象農地
・農山漁村再生可能エネルギー法に基づき市町村が定める再生導入促進区内の
「再生利用可能」な荒廃農地
■転用の3要素
「生産条件が不利」「工作を相当期間行っていない」「今後、耕作の見込みがない」
↓
「今後、耕作の見込みがない」のみに
太陽光発電パネルの下で農作物を栽培する「営農型太陽光発電」の2019年度の許可件数は661件で、前年度の件数を37%上回り過去最高だったことが農水省の調査で分かった。面積でみると同24%増の181・6ヘクタール。複数農家を取りまとめてパネル設置を進める発電事業者の動きや、パネル設置に必要な農地転用の期間延長措置の周知が進んだことなどが背景にある。
19年度までの累計許可件数は2653件で、面積は741・6ヘクタール。地域別では関東が1501件で全体の57%、次いで東北が255件で10%を占める。
56件が許可された宮城では、発電事業者が売電収入を得るため、同一地域の複数農家に設置を働き掛ける動きが目立つという。県は「19年度に許可した4分の3が発電事業者。一事業者が十数件許可申請した例もある」という。
パネル設置には支柱の基礎部分の農地の一時転用が必要。同省は一時転用の期間延長も、許可件数を押し上げたとみる。同省は18年5月から、認定農業者ら担い手を対象に一時転用期間を従来の3年以内から10年以内にした。担い手の許可件数は延長前の17年の66件から18年は98件、19年は189件と急増。同省は、延長措置の周知が進んだため、「転用手続きの負担が軽減されるので取り組もうという農家が増えた」(農村計画課)とみる。
営農型太陽光発電では、パネル下の作物は地域の平均単収の8割以上の確保が要件。一方、同省は21年度から、荒廃農地を再生利用した場合に限り同要件を撤廃した。荒廃農地での許可件数は18年が41件、19年が42件と横ばいだが、「今後、増える可能性がある」(同課)としている。