植物活性剤利用の成功・失敗
3/6 春になって、家庭菜園で野菜を栽培される方の楽しい季節になりました。ホームセンターにいくと、野菜の苗と一緒に、活性剤を購入される方も多いようです。
自分も、家庭菜園で、しばらくHB101を使っていました。発芽や初期成長では、効果がありました。葉菜類は、はっきり効果がありました。
いろいろな野菜に使いましたが、①使って効果のあったもの、②そうでないもの、③途中から変だなと感じたものに分かれたことに気づいました。
体験からの分類
①使って効果のあったもの
ホウレン草、小松菜、ネギ、チンゲン菜、春菊、キャベツなどの葉菜類、盆栽は、発芽から成長も早く、効果がありました。
②果菜類・・・イチゴでは、一部の実が大きくなるも、終了はすくなくなったような気がします。
ブドウが?
③お米・・・発芽から初期成長は、良くなりましたが、稲が伸びすぎ、逆効果
分茎(ぶんけつ)と穂の中の粒が少なくなりました。
プロ農家の意見
ベテラン農家、篤農家の方々と多くお付き合いしていることで、いろいろ活性剤についてお聞きしました。プロ農家は絶対使わない、コストの面以上に、成分がいまいちわからないし、逆の効果が怖いとで使用しないとの意見です。
学術的な意見は
活性剤にかんしては、あまり研究されていません。個人的に親しい大学教授におたずねすると、ホルモン剤の一種だと思うが、成分表にはないので、何とも言えないが、ひのき、オオバコ、松の成分をもう少し、掘り下げないわからないとのことです。一昔前に流行したジベレリン系のホルモンの可能性があるのではとのこと。ジベレリン自体は、植物由来のものですが、天然のものを抽出する技術は確立されていないのでわからない。工場で発酵培養で製造しているものもあるが、天然ものか農薬扱いかグレーゾーンかもしれない。
理化学研究所
植物掘ホルモンの研究は、理化学研究所が日本で一番ですが、文献では、植物に存在する植物ホルモンは、1個体で1億分の1gしかないとしています。植物ホルモンもジベレリン数種類、オーキシン、サイトカイニンなど数種類があるため、さらに少ない量となります。植物ホルモンの抽出には、成功例は世界的に存在しないとしています。
演繹法的推理
私見ですが、活性剤の要素を並べると
(1)抽出成功がないとされている植物ホルモンのジベレリン
(2)ひのき、松、おおばこ
(3)化学合成ジベレリン
(4)ジベレリンの微生物発酵での培養
(5)長崎大学が利用した植物に含まれるごく微量な要素をコスモ石油が培養した「アミノレブリン酸」は、1g=数千万円とされる。
となります。
演繹的に推理すると、天然植物ホルモンをできたとして1g=数千万円の天然植物ホルモンを材料として使用するのは不可能。「ひのき、松、おおばこ」の成分と「合成ジベレリン」を化学的に分離しないように生成し、それを微生物発酵したものではないかという結論に達しました。
利用方法
葉菜類の栄養成長で、利用するのが一番よいと思います。果実をつけない盆栽もいいと思います。
また、家庭菜園での果菜類も、大丈夫だと思います。
ということで、家庭菜園レベルでの利用に限れば、充分に使えると思います。