台湾への輸出急増
10/30
農産物にかかわる仕事をしていますと、台湾への輸出の話が最近再び、増えてきました。
台湾で日本産農産物の輸入が伸びています。1~9月の野菜輸入量は今年初めて1万トン台に乗っています。新型コロナウイルス禍で海外に進出していた多くの富裕層が台湾に戻り、日本産消費をけん引したかようです。2月から日本と台湾の間で、有機農産物を自由に輸出入・販売できるようになったことも後押ししています。
台湾農業委員会(日本の農水省に相当)によると、今年1~9月の農産物輸入量は前年同期比3・3%減の993万6500トン。半面、日本産の輸入量は、同15・8%増の10万8162トンでした。特に野菜類は1万103トンと前年同期の10倍に急増しました。
背景には、コロナ禍で台湾に戻った多くの富裕層が、高級食材を求めていることが要因があります。日本旅行がキャンセルになった消費者の中で日本食を楽しむ需要が高まったこともあります。
日本と台湾は2019年10月、相互が有機認証と認めた有機農産物に対し、新たな認証なしに「有機」と表示して輸出入・販売できる覚書を交わしました。今年2月から実施されたことで、日本の有機JAS法で認証された有機農産物の輸入増につながったとみられています。