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あぶない農業と儲かる農業

キャッサバと植物ホルモン理化学研究所

2020/09/20
植物の生理学 0
9/20
現代の農業は、肥料学に集約され、どんな肥料およびその施肥設計およびブレンドなど、肥料に重きを置く学問になっています。しかし、理化学研究所などが研究解明している分析は、植物生理学を中心とした、植物の持つ機能、それを司る植物ホルモンの制御による、農業の発展を示しています。

2020/8/5の理化学研究所の記事です。科学雑誌『Plant Molecular Biology』のオンライン版(8月5日付:日本時間8月5日
キャッサバの生育について、分子メカニズムを解明しています。
キャッサバの塊根中で合成されるデンプンは、全世界で5~10億人の食糧源・エネルギー源となっており、キャッサバは食糧安全保障および産業利用上、重要な作物として位置づけられています。持続的な食糧生産を維持するためには、塊根が形成される過程の分子メカニズムを理解する必要があります。
今回、国際共同研究グループは、理研のオミックス解析技術を用いて、キャッサバ塊根について植物ホルモン一斉分析、代謝物一斉分析、網羅的な遺伝子発現解析を実施しました。その結果、塊根の形成には植物ホルモンのオーキシンとサイトカイニンが主要な役割を担うことが分かりました。また、ジャスモン酸[6]がオーキシンとサイトカイニンの作用を、アブシジン酸 が糖代謝経路をそれぞれ抑制することで、塊根の形成を阻害していることが明らかになりました。
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塊根中の植物ホルモンの量を測定した結果、8週目と12週目の全ての試料で活性型サイトカイニンが蓄積。
アスパラギン酸結合型オーキシンの量が減少・・・塊根になる前の根(P)ではオーキシンのレベルは一定であり、アスパラギン酸結合型オーキシンやアブシシン酸が一定量蓄積していました
塊根中では糖代謝物の量が増大し、それに伴い、糖代謝関連の遺伝子発現やオーキシンやサイトカイニンの代謝に関わる遺伝子発現量も増加していました
植物ホルモン一斉分析の結果、サイトカイニンの量の増加など、通常の根と塊根試料中の植物ホルモンの量に違いが見られました。このため、塊根の膨潤過程は、植物ホルモンにより制御されているのではないかと考えました。塊根形成過程でダイナミックな変化が観察された植物ホルモンの結果と根の膨潤の関係性を明らかにするため、キャッサバ無菌栽培の実験系を用いて植物ホルモン処理を行いました。

植物ホルモンとは
植物の成長を制御する化学物質の総称。一般的に植物ホルモンは、植物でごくわずかしか作られない。これまでに、オーキシン、ジベレリン、サイトカイニン、エチレン、ジャスモン酸、アブシジン酸、ブラシノステロイド、ストリゴラクトン、サリチル酸に加え、いくつかのペプチドホルモンなどが発見されている。
オーキシン
植物の成長や形態形成などで中心的な役割を担う植物ホルモン。
サイトカイニン、活性型サイトカイニン
サイトカイニンは、植物の成長や実りの促進、老化の抑制などに関与する植物ホルモンの一種。作られた細胞から近傍の細胞に作用して「細胞間」のシグナルとして働くだけでなく、道管や師管を介して移動し「器官間」のシグナルとしても重要であることが明らかにされつつある。シロイヌナズナには、イソペンテニルアデニン型(iP型)とトランスゼアチン型(tZ型)の活性型サイトカイニンが存在し、後者は茎や葉など地上部の成長を促進する作用がある。
ジャスモン酸
植物ホルモン様物質である揮発性有機化合物の一つで、果実熟成や老化促進、および傷害ストレス応答のシグナルとして機能する。ジャスミンの花から香気成分として単離できるジャスモン酸メチルはジャスモン酸の誘導体として知られる。
アブシジン酸
生体内でさまざまな生理機能を発揮する植物ホルモンの一つ。気孔の閉鎖、乾燥耐性の獲得、種子の成熟や休眠、器官の離脱などの生理作用がある。

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スマートネット山本
Admin: スマートネット山本
私は、IT・WEBデザインの会社を営んでいます。一般企業や個人の農業創業・開業のお手伝いを行う機会がふえたことで、農業創業コンサルが主たる業務になりました。全国で活動実績があり、野菜・果実・キノコ栽培のスタートアップ一式業務、行政申請、補助金申請、資金調達支援を行っています。個人では無農薬米の栽培とキノコ栽培を行っています。また天然植物ホルモン液を活用した農業技術指導者を擁しており、2021年より国連ECOSOC/NGO団体と提携し世界の農業振興・教育に携わっております。儲かる農業をテーマに、短期で黒字化になる農業をご案内しております。
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