ジャンボタニシ駆除
●ジャンボタニシ=スクミリンゴガイ(学名:Pomacea canaliculata)は、南米原産の淡水に生息する大型の巻貝(成貝の大きさは殻高3~8cm)で、日本には食用として1981年に東南アジア方面から輸入されてきました。
・当初は新たな水産物として期待されていましたが、味が日本人好みではなかったことや広東住血線虫の感染源にもなることから商品価値は上がらず、その後養殖場から逃げ出したり廃棄されたりして野生化した貝が繁殖してしまったのです。
・1984年には植物防疫法に基づき有害動物に指定されて輸入禁止になり、現在は環境省と農林水産省が作成する「生態系被害防止外来種リスト」で、対策の必要性が高い「重点対策外来種」に選定されています。
・スクミリンゴガイの食性は、雑食で植物質から動物質まで幅広くエサにし、特に柔らかい物を好みます。食欲はとても旺盛で、1日に自分の体重の半分ほどの量を摂取するので農作物への被害は甚大です。水稲での被害がクローズアップされていますが、稲はスクミリンゴガイの大好物ではありません。田植え直後の水田には、生育初期の稲しかないので食べられてしまうのです。育苗日数にもよりますが、田植え直後から2~3週間が防除の必要な期間で、その後は生長して堅くしっかりとした稲になるので、スクミリンゴガイに食べられることはありません。
[駆除]
自分も稲作を行っていますが、駆除には県や市に連絡届け出し、椿油カスを秋口に散布し、1週間水を流さないように、管理して、駆除していますが、春先は、周りから入り込み、繁殖しています。
[対策]
現在、スクミリンゴガイの防除を目的とした薬剤は、「メタアルデヒド粒剤」、「チオシクラム粒剤」、「燐酸第二鉄粒剤」の3系統が存在します。「メタアルデヒド粒剤」は貝を麻痺させることで殺貝し、「チオシクラム粒剤」は眠らせるような効果で貝の活性を低下させます。「燐酸第二鉄粒剤」は貝が剤を食べることで内臓機能を破壊して食害を防止し殺貝する効果があります。
注目したいのは「メタアルデヒド粒剤」と「チオシクラム粒剤」には、使用する回数と時期に制限があるのに対し、「燐酸第二鉄粒剤」は有効成分が天然にも存在するので、使用する時期や回数に制限がなく状況に合わせた散布が可能なことです。