ミツバチが危ない
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新型コロナウィルスのニュースがパンデミックとして、大きな問題になっているが、ミツバチもウィルスで、養蜂業者さんなど、大きなリスクが生じてきた。
2006年にアメリカ各地でミツバチの群れが失踪する現象が表面化したことで、ミツバチのウィスルの感染が発見され、以降調査が続いている。一連の現象は蜂群崩壊症候群(CCD)と名付けられ、症状の出たミツバチの巣では、働きバチが突如として集団で消失する。いくつかの研究では、2002年に初めて特定されたイスラエル急性まひウイルス(IAPV)などのウイルスとの関連が強く示唆されている。
◆日本の現状は
国内の養蜂家が飼育するミツバチの98・9%が、チヂレバネウイルスなどの病原ウイルスに感染していることが、日本養蜂協会の調査で明らかになった。62%は複数種類のウイルスに感染していた。ウイルス感染の実態を探る本格的な全国調査は初。調査をまとめた東京農工大学の国見裕久名誉教授は「日本の養蜂で大きなリスクとなり得る」と指摘する。
ミツバチは近年、ウイルス感染が世界的に問題になっている。影響するウイルスは数種類が確認され、感染し発病すると、羽が縮れたりまひを起こしたりするなどの症状が知られている。
同協会は、全国のミツバチ92群から健康な働きバチを送ってもらい、チヂレバネウイルス、カシミール蜂ウイルスなど7種類について感染の有無を検査した。
ウイルスが確認できなかった群は92群のうち1群だけ。特にチヂレバネウイルスは98・9%で検出し、全国で満遍なくみられた。1種類のウイルスだけが検出された群は34群で、検査対象の7種類のウイルスのうち6種類に感染している群が2群、5種類が6群と、複数のウイルスによる感染が広がっている。
ウイルスの伝染ルートは、ミツバチに寄生するミツバチヘギイタダニの媒介が疑われている。検査したミツバチの採集場所周辺に、同ダニがいたかどうかも聞き取り調査し、ダニの寄生が報告された群は全体の42・4%。ダニがいてもいなくても感染率に差はなく、ダニ以外のルートでもウイルスが広がっている恐れがあるとみられる。