都市型農業で原木椎茸
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神奈川県川崎市で、32歳の方が原木シイタケ栽培
菌床栽培のきのこが多くなってきていますが、生産が増える分、原木栽培の価値も上がりそうです。
菌床椎茸と菌床椎茸の栽培比較
大量生産で、画一的なものがでてくると、少し価値の違うものも、欲しがる消費行動もでてきます。
このあたり、うまく棲み分け、農業経営する方法もあります。今回は都市型農業
[項目] 菌床椎茸 原木椎茸
培地 木材チップ+米ぬかなど 原木
熟成期間 3~4ヶ月 300~600日
栽培サイクル 3~4ヶ月 3~5年
菌床製造 滅菌施設・培養施設必要 ホダ木に駒打ち
菌床入手 菌床会社から購入可能 地域に合う菌を探し栽培必要
菌床を自分で製造する場合は、滅菌窯、素材ミキサー、無菌室、培養室など小さいものでも億近くの資金が必要です。
これに対して、原木シイタケは、低コストでできますが、その分、とても手間と時間がかかります。
収穫品は、やはり違いがあります。味、香りは天然物が優れています。また、乾燥品にしたときに更に違います。
菌床栽培のものは、菌床栽培+機械乾燥で仕上げるとところが多いのですが、天日干しのほうが栄養成分に優れます。
以下 日経新聞6/1神奈川版より
人口増加が続く川崎市で、野菜や果樹、花きなどを栽培する「都市農業」は、後継者難などの課題を抱えながらもまだまだ存在感を保っている。新規就農からまだ10年ほどの程塚健(33)は同市高津区の住宅地で原木シイタケの栽培に取り組み、都市農業の一翼を担っている。
全国的にシイタケは、おがくずなどで作る人工の培地に菌を植える菌床栽培が一般的だ。コナラなど本物の木(ほだ木)を使う原木栽培は菌を植えた原木を井桁状に積み上げ、風通しや温度の調節のため原木を並べ替えたり天地をひっくり返したりする重労働が必要となる。現在、川崎市内で原木栽培している農家はほとんどないという。
それでも程塚は「原木栽培はシイタケ本来の味と香り、歯応えがある。菌床栽培とはまったく違う」とこだわる。祖父母が野菜などを作っていた10アールほどの土地に建てた栽培施設には約1万本のほだ木が並び、毎日そのうちの1千本ほどを動かし続ける。
程塚はもともと自動車ディーラーに勤めていた。趣味の山登りを楽しんでいると、間伐されずに荒廃していく山林が気になった。「間伐材を使うシイタケの原木栽培が広がれば、山林の荒廃も防げる。少しでも役に立てれば」と考えた。
だが、最初の数年間は苦難の連続だった。シイタケの菌は専門業者が多くの種類を販売しており、気候など様々な栽培条件によって最適な品種が異なる。品種選定を誤ると、シイタケがほとんど出てこないこともある。「これ、という数種類の菌に絞り込むまで数年かかった」
栽培が軌道に乗ったら、今度は販売に苦労した。それでも口コミなどで徐々においしさが知られると固定客が付き、飲食店でも使ってもらえるようになった。
新潟県津南町で養豚業を営む妻の実家と協力してブランド肉「つなんポーク」にシイタケを混ぜた「原木しいたけソーセージ」も開発するなど、「6次産業化」に向けた取り組みにも挑んでいる
全国的にシイタケは、おがくずなどで作る人工の培地に菌を植える菌床栽培が一般的だ。コナラなど本物の木(ほだ木)を使う原木栽培は菌を植えた原木を井桁状に積み上げ、風通しや温度の調節のため原木を並べ替えたり天地をひっくり返したりする重労働が必要となる。現在、川崎市内で原木栽培している農家はほとんどないという。
それでも程塚は「原木栽培はシイタケ本来の味と香り、歯応えがある。菌床栽培とはまったく違う」とこだわる。祖父母が野菜などを作っていた10アールほどの土地に建てた栽培施設には約1万本のほだ木が並び、毎日そのうちの1千本ほどを動かし続ける。
程塚はもともと自動車ディーラーに勤めていた。趣味の山登りを楽しんでいると、間伐されずに荒廃していく山林が気になった。「間伐材を使うシイタケの原木栽培が広がれば、山林の荒廃も防げる。少しでも役に立てれば」と考えた。
だが、最初の数年間は苦難の連続だった。シイタケの菌は専門業者が多くの種類を販売しており、気候など様々な栽培条件によって最適な品種が異なる。品種選定を誤ると、シイタケがほとんど出てこないこともある。「これ、という数種類の菌に絞り込むまで数年かかった」
栽培が軌道に乗ったら、今度は販売に苦労した。それでも口コミなどで徐々においしさが知られると固定客が付き、飲食店でも使ってもらえるようになった。
新潟県津南町で養豚業を営む妻の実家と協力してブランド肉「つなんポーク」にシイタケを混ぜた「原木しいたけソーセージ」も開発するなど、「6次産業化」に向けた取り組みにも挑んでいる