耕作放棄地オリーブ
5/31
5/31日経新聞・千葉・東京・神奈川版より
千葉県内の自治体や農業生産者の間で、耕作放棄地などを使ってオリーブを栽培する動きが広がっている。農家の後継者不足で増加する遊休地を有効活用できるほか、消費者に人気の高いオリーブオイルなどを製造・販売することで、農業を「6次産業」に高度化する効果も期待される。地元自治体も地域活性化につながるとみて、積極的に支援している。
睦沢町でオリーブ生産を手がける農地所有適格法人の株式会社、房総オリーヴ(睦沢町)は5月中旬、新たに670本を植樹した。
2017年春から主に耕作放棄地だった農地を再活用し、現在までに計3万8000平方メートルの農地に約1900本を植えている。同社は16年に設立。オリーブの栽培に適した温暖な気候と土壌で、耕作放棄地が多い同町を栽培地に選んだという。
町も栽培を後押しする。同社が3月末までクラウドファンディングで事業資金を調達した際、市原武町長が「オリーブ栽培は耕作放棄地の再生、農業の担い手不足の解消などの問題を解決する可能性を秘めている」とコメントした。
PFI(民間資金を活用した社会資本整備)方式で9月に改装開業する道の駅には、オリーブの植栽エリアを設ける。果実から油を絞る搾油機も導入し、早ければ今秋から道の駅でオリーブオイルや加工品を製造・販売する予定だ。
いすみ市では4月から、市主導でオリーブ栽培が始まった。市に寄贈された苗木108本を地域おこし協力隊が管理。市は気温や湿度、土壌を測定しながら水や液体肥料を自動で与える最新のシステムを導入した。生育状況やシステムの効果を見ながら、他の農家への拡大を検討する。市農林課では「遊休農地の再利用に加え、農業所得の向上や6次産業化への展開が見込める」と期待している。
銚子市では18年4月に、オリーブに関心のある市民や農家が栽培と産業化を手がける民間団体「千葉黒潮オリーブネットワーク本部」を設立。現在は苗木を生育・販売している。安定して栽培できるようになれば、苗木のオーナー制度を導入し、耕作放棄地などで栽培する。
同団体ではオリーブの栽培方法を指導するほか、オリーブを使った料理を紹介するセミナーを3カ月おきに開催。将来は市内の水産加工業者と共同で特産加工品を開発する計画もある。同団体の林一也代表は「農業の後継者は今後ますます不足し、耕作放棄地が増えていく」として「銚子を代表する次世代の産業として根付かせたい」と意気込む。
【図・写真】房総オリーヴが選んだ睦沢町は、オリーブ栽培に適した温暖な気候と土壌が特徴だ
睦沢町でオリーブ生産を手がける農地所有適格法人の株式会社、房総オリーヴ(睦沢町)は5月中旬、新たに670本を植樹した。
2017年春から主に耕作放棄地だった農地を再活用し、現在までに計3万8000平方メートルの農地に約1900本を植えている。同社は16年に設立。オリーブの栽培に適した温暖な気候と土壌で、耕作放棄地が多い同町を栽培地に選んだという。
町も栽培を後押しする。同社が3月末までクラウドファンディングで事業資金を調達した際、市原武町長が「オリーブ栽培は耕作放棄地の再生、農業の担い手不足の解消などの問題を解決する可能性を秘めている」とコメントした。
PFI(民間資金を活用した社会資本整備)方式で9月に改装開業する道の駅には、オリーブの植栽エリアを設ける。果実から油を絞る搾油機も導入し、早ければ今秋から道の駅でオリーブオイルや加工品を製造・販売する予定だ。
いすみ市では4月から、市主導でオリーブ栽培が始まった。市に寄贈された苗木108本を地域おこし協力隊が管理。市は気温や湿度、土壌を測定しながら水や液体肥料を自動で与える最新のシステムを導入した。生育状況やシステムの効果を見ながら、他の農家への拡大を検討する。市農林課では「遊休農地の再利用に加え、農業所得の向上や6次産業化への展開が見込める」と期待している。
銚子市では18年4月に、オリーブに関心のある市民や農家が栽培と産業化を手がける民間団体「千葉黒潮オリーブネットワーク本部」を設立。現在は苗木を生育・販売している。安定して栽培できるようになれば、苗木のオーナー制度を導入し、耕作放棄地などで栽培する。
同団体ではオリーブの栽培方法を指導するほか、オリーブを使った料理を紹介するセミナーを3カ月おきに開催。将来は市内の水産加工業者と共同で特産加工品を開発する計画もある。同団体の林一也代表は「農業の後継者は今後ますます不足し、耕作放棄地が増えていく」として「銚子を代表する次世代の産業として根付かせたい」と意気込む。
【図・写真】房総オリーヴが選んだ睦沢町は、オリーブ栽培に適した温暖な気候と土壌が特徴だ