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あぶない農業と儲かる農業

キノコ数種類の収益性?

2022/12/04
きのこ薬草 0

2022/12/3加筆

2018年9月から4年経過した状態のキノコ栽培事業について述べます。
画像①上:乾燥椎茸の国内生産と中国産輸入量の推移です。
 〃 下:椎茸国内生産と中国からの輸入量および中国産菌床輸入量推移です。 
(林野庁の統計データより)
これ(①図下の黄色グラフ)を見ると、2008年あたりから、中国産シイタケの輸入量が減っています。同時に、青線の中国産菌床の輸入量が大幅に増えています。
このため、2022年3月までは、安い中国産菌床を使って、椎茸を栽培する事業者が増えました。中国産シイタケ菌床は、国内菌床の半額以下です。種菌および菌床が中国産でも、栽培が国内であったら、国産椎茸で通っていましたが、本年4月から中国産と表示しないといけません、 
cchi.jpg
林野庁によると表示方法以下のような指示となっています。
rinnya.jpg
生シイタケは、令和4年4月から9月末までが準備期間、10/1から実施、加工椎茸は、令和5年3月末日までが準備期間、以降実施となっています。

中国産椎茸について、自分も中国産菌床を取り寄せて栽培してみましたが、子実体(実の部分)は国産とほぼ同じものができました。ただ、時々よくわからない虫が湧いて、困ったことがありました。
国産菌床では、ほとんどありません。製造の際の、木材チップの管理など国産と違うのではないかと思います。

薬用キノコ

株式会社グローバルインフォメーションの調査によれば、薬用キノコ市場は、2019年で335億5,300万米ドル(約4兆7000億円)2027年には533億4,200万米ドル(約7.7挑円)規模を予測しています。このうち薬用キノコでは、世界の薬用キノコエキスの市場規模は、2020年に3億7,780万米ドルに達しています。(約550億円)そのうち63%がアジア市場、30%が欧米市場です。
薬用キノコを含めキノコ類は、真菌類の微生物の子実体であり、微生物としての活動も研究が深まっています。「微細化」「分解」「合成」「他生物との共生による有効物質」「同じく、植物ホルモンと同じ物質の精製、供給」など、微生物としての研究が進んでいます。
薬用キノコについては、来週詳しく述べていきます。

2018/9/11 の記事

キノコ栽培では、最近マッシュルームが消費が増え、生産も伸びています。
マッシュルームは、欧州型のプラントで馬たい肥を発酵させた培地で生産します。
家庭用をのぞいて、菌床を販売していません。
大手企業が、あまり栽培していないキノコでは、椎茸、キクラゲ、ヒラタケ、霊芝、鹿角霊芝、冬虫夏草などがあります。生産事業の比較を簡単にしてみます。
大手が生産していないキノコ類は、「栽培の手間がかかる」「消費が少ない」「椎茸など利益が薄い」などの理由で、隙間のある栽培のものです。
自分が栽培した菌床栽培での経験での数値です。
ks4.jpg
■菌床栽培キノコのいろいろな比較
(自然栽培に近い生産方法。湿度管理重視、温度管理は少な目)
[販売のしやすさ]
椎茸②キクラゲ③その他
 椎茸は、消費も多いので卸でも、地産地消でも販売しやすいですが、その分競合も多く、利益も薄いといえます。キクラゲは生で販売できれば利益は上がりますが、売れ残ると乾燥にまわします。それはそれでコストと手間がかかります。
[栽培のしやすさ]
キクラゲ②鹿角霊芝③椎茸④その他
キクラゲは、出たしたらずっと活動してくれるので、栽培しやすいですが、勢いがあるので、収穫に回る時間が多くなります。
[栽培の難しさ]
冬虫夏草②霊芝③椎茸
冬虫夏草や霊芝類は、特殊な薬用キノコです。薬用キノコは発芽すれば強いですが、それまで雑菌が入らないようにしないと、発芽個所が負けてしまいます。
椎茸は、休養管理に熟練がいります。
[旬の時期の忙しさ]
①キクラゲ②椎茸③その他
キクラゲ、椎茸は、旬の時期は勢いがあります。きちんと湿度管理をすれば、1日2回同じ場所で以上の収穫できます。
副業でできる]
①冬虫夏草②鹿角霊芝
薬用キノコは、発芽がうまくいくと、朝夕の見回りの管理でよいです。温度・湿度を一定に保てば、標準収穫量がとれます。
[初期コストが安い]
①椎茸、キクラゲ(自然栽培)
椎茸、キクラゲの自然栽培では、低コストで、生産できます。
適温の違いで、リレー栽培できます。
[菌床が希少]
①冬虫夏草②霊芝類
薬用キノコは、菌床販売が多くないため、入手が困難です。
霊芝類は、種菌と菌床原料を購入して、菌床をつくる方法もあります。
無菌・滅菌した部屋で、手早く植え付けます)
[収益性]
①薬用キノコ
霊芝類や薬用キノコは、漢方や民間療法、海外では国内以上にサプリ、健康食品、化粧品の原料に使用されています。うまく、卸先のメーカーとつながれば、よい収益となります。また、パウダーなどに加工して小売りすることで6次産業化(生産・加工・販売)となり、他のキノコとは比較できないほど、利益率があがります。少し、小売りができるようになると、楽しくなります。
②キクラゲ、ヒラタケ
椎茸に比べ、競合が少ないため、小売りでも販売価格を適正に設定できます。生は特に売りやすいです。普通栽培で、旬の時期の栽培がよいです。

[周年栽培の是非]
本格的に、キノコ栽培を行うとなると、ある程度の菌床を栽培管理・収穫するのに、人手が要ります。労働を確保するとなると、1年中生産しないといけません。そのためには、温度管理ができる施設が必要です。冷暖房費も要ります。また自然栽培と違い、地域、施設、日当たり、施設の方角などで、温度・湿度管理を調整しながら適正を求める必要があります。

[周年栽培で理想的な経営]
周年栽培では、人手が必要です。農福連携という言葉がありますが、障碍者さんの施設では、作業先を求めています。キノコ栽培では、その方の適正に合わせ、収穫を覚えてもらったり、計量・パッキング・ラベル貼りなど出荷作業、乾燥・カット・袋詰めなどの作業があります。障碍者の方と仕事をすることもありますが、皆さん所要時間はまちまちですが、非常に正確な作業をされます。また、植物が育つのを見ることで、楽しく作業でき、施設を長く利用してくれています。また、作業先には、補助金も出る場合もあります。



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スマートネット山本
Admin: スマートネット山本
私は、IT・WEBデザインの会社を営んでいます。一般企業や個人の農業創業・開業のお手伝いを行う機会がふえたことで、農業創業コンサルが主たる業務になりました。全国で活動実績があり、野菜・果実・キノコ栽培のスタートアップ一式業務、行政申請、補助金申請、資金調達支援を行っています。個人では無農薬米の栽培とキノコ栽培を行っています。また天然植物ホルモン液を活用した農業技術指導者を擁しており、2021年より国連ECOSOC/NGO団体と提携し世界の農業振興・教育に携わっております。儲かる農業をテーマに、短期で黒字化になる農業をご案内しております。
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