サツマイモ社長
3/32018/03/03 日本経済新聞 地方経済面
宮崎の知り合いのサツマイモ社長さんが、日経新聞に本日、載っていました
サツマイモで、上場を目指しておられます。
サツマイモ生産・加工・販売のくしまアオイファーム(宮崎県串間市)は、設立後わずか4年でサツマイモ輸出量で全国トップに立った。社長の池田誠(47)は農家出身だが、家族的な経営に限界を感じ2013年12月に会社を設立した。サツマイモの「ゼスプリ」を目指し、農業法人として初の株式上場へ走り続ける。
小サイズに絞り
年間輸出512トンに
1日20トンのサツマイモを自動で袋詰めまでする、昨年10月に立ち上げた出荷場。池田は「海外のバイヤーに実際の作業状況を見せ、納得させられる」と自信を見せる。
ともに新設した貯蔵庫は収穫時にサツマイモに付いた傷を自然治癒させるキュアリング機能を備え、サツマイモを最大2000トン貯蔵できる。食品衛生管理の国際基準「HACCP(ハサップ)」に対応し、出荷場は延べ床面積約1600平方メートル、貯蔵庫は約1500平方メートルに上る。
同社のサツマイモの年間輸出量は約512トン(16年8月~17年7月)。国内輸出量の2割強を占め、トップに躍り出た。16年には中小企業庁の「はばたく中小企業・小規模事業者300社」に選ばれ、17年には「16年度輸出に取り組む優良事業者表彰」で農林水産大臣賞を受賞した。
受賞の決め手になったのが開発した包装資材。船便輸送の際に発生するカビ、腐敗を防ぐ。輸出を伸ばせたのもこの包装資材の貢献が大きい。海外で店頭にすぐ並べられるよう、小分けに袋詰めした状態で輸出するからだ。
扱うのは小ぶりなサツマイモだ。日本で一般的な焼き芋より小さく、大きくても長さ20センチくらいまで。池田が海外に視察に出かけ、「とりわけ香港では住宅事情から台所が狭く、使っている炊飯器も小さい。これで蒸すのだから、小さいサイズが受け入れられる」と読んだのが奏功した。
従来、国内の農家は小さいサイズは売り物にならないと捨てることが多かった。同社では自社農園で小さいサツマイモを作るだけでなく、契約農家からも積極的に買い入れている。「農家が潤ってくれるよう、通常より1~2割高い値段で契約している。きちんと還元すれば、また来年も作ってくれる」と話す。
単品種に特化
株上場めざす
「農家出身だから農家には〓をつきたくない」。かつて、自分を含め農家が60円で出荷したサツマイモが香港で700円で売られているのを目にした。「許せない」。これが農業に本格的に取り組む契機になった。40歳の時だ。
もともと農業が好きだったわけではない。高校卒業後に県外に飛び出した。23歳の時に父親が死去し家業を継ぐことになった。「全く楽しくなかった」と当時を振り返る。
「JAに販売を任せていたら、それを売れない言い訳にしてしまう」。40歳を機にJAへの出荷をやめ、自分で直接商社にあたる営業を始めた。流通の中間業者を外すことでより安く売れ、利益も上がると踏んだからだ。「家族をはじめ周囲は猛反対だった」が、もくろみは当たった。関西のスーパーを中心に販路も広がり、もはや家業の域を超えた43歳の時、くしまアオイファームを設立した。
「5年間で宮崎県内でトップの農業法人になろう」。呼びかけに従業員約70人が集い、しかも平均年齢30歳強の若い集団が生まれた。IT(情報技術)やネット人材など多士済々だ。過疎の進む串間市では例がないという。
株式上場を見据える池田。目指す企業像は「ゼスプリ」という。ニュージーランドでキウイを生産、販売し、日本にも輸出している。「単品種に特化し、品種開発、育苗にも強みを持つ。そんな会社にしたい」と夢を追う。
小サイズに絞り
年間輸出512トンに
1日20トンのサツマイモを自動で袋詰めまでする、昨年10月に立ち上げた出荷場。池田は「海外のバイヤーに実際の作業状況を見せ、納得させられる」と自信を見せる。
ともに新設した貯蔵庫は収穫時にサツマイモに付いた傷を自然治癒させるキュアリング機能を備え、サツマイモを最大2000トン貯蔵できる。食品衛生管理の国際基準「HACCP(ハサップ)」に対応し、出荷場は延べ床面積約1600平方メートル、貯蔵庫は約1500平方メートルに上る。
同社のサツマイモの年間輸出量は約512トン(16年8月~17年7月)。国内輸出量の2割強を占め、トップに躍り出た。16年には中小企業庁の「はばたく中小企業・小規模事業者300社」に選ばれ、17年には「16年度輸出に取り組む優良事業者表彰」で農林水産大臣賞を受賞した。
受賞の決め手になったのが開発した包装資材。船便輸送の際に発生するカビ、腐敗を防ぐ。輸出を伸ばせたのもこの包装資材の貢献が大きい。海外で店頭にすぐ並べられるよう、小分けに袋詰めした状態で輸出するからだ。
扱うのは小ぶりなサツマイモだ。日本で一般的な焼き芋より小さく、大きくても長さ20センチくらいまで。池田が海外に視察に出かけ、「とりわけ香港では住宅事情から台所が狭く、使っている炊飯器も小さい。これで蒸すのだから、小さいサイズが受け入れられる」と読んだのが奏功した。
従来、国内の農家は小さいサイズは売り物にならないと捨てることが多かった。同社では自社農園で小さいサツマイモを作るだけでなく、契約農家からも積極的に買い入れている。「農家が潤ってくれるよう、通常より1~2割高い値段で契約している。きちんと還元すれば、また来年も作ってくれる」と話す。
単品種に特化
株上場めざす
「農家出身だから農家には〓をつきたくない」。かつて、自分を含め農家が60円で出荷したサツマイモが香港で700円で売られているのを目にした。「許せない」。これが農業に本格的に取り組む契機になった。40歳の時だ。
もともと農業が好きだったわけではない。高校卒業後に県外に飛び出した。23歳の時に父親が死去し家業を継ぐことになった。「全く楽しくなかった」と当時を振り返る。
「JAに販売を任せていたら、それを売れない言い訳にしてしまう」。40歳を機にJAへの出荷をやめ、自分で直接商社にあたる営業を始めた。流通の中間業者を外すことでより安く売れ、利益も上がると踏んだからだ。「家族をはじめ周囲は猛反対だった」が、もくろみは当たった。関西のスーパーを中心に販路も広がり、もはや家業の域を超えた43歳の時、くしまアオイファームを設立した。
「5年間で宮崎県内でトップの農業法人になろう」。呼びかけに従業員約70人が集い、しかも平均年齢30歳強の若い集団が生まれた。IT(情報技術)やネット人材など多士済々だ。過疎の進む串間市では例がないという。
株式上場を見据える池田。目指す企業像は「ゼスプリ」という。ニュージーランドでキウイを生産、販売し、日本にも輸出している。「単品種に特化し、品種開発、育苗にも強みを持つ。そんな会社にしたい」と夢を追う。