漢方需要増
2/26 2/15の日経新聞などより
ツムラは14日、2028年3月期に中国事業で1700億円の売上高を目指すと発表した。17年3月期は数千万円程度。17年に資本業務提携を結んだ中国平安保険グループと組んで日本の漢方薬にあたる「中薬」の製造・販売を広げるほか、20年ごろに分析センターを立ち上げ、高品質を打ち出せる生産体制を整える。
東京都内で会見したツムラの加藤照和社長は「中国事業では日本の売上高と同等規模以上を目指す」と話し、28年3月期に中国の売上高が日本を逆転する可能性を示した。ツムラは17年に中国の4大保険会社の一つである中国平安保険グループと資本業務提携を結んだ。
漢方薬最大手のツムラは14日、中国の伝統薬で日本の漢方薬にあたる「中薬」を中国で製造・販売し、2028年3月期に100億元(約1700億円)の売上高を目指すと発表した。同社は17年に中国保険大手の中国平安保険グループと提携し、中国平安保険が株式の10%超を持つ大株主となった。18年4月にツムラが過半を出資して合弁会社を設立、事業を広げる。
(漢方は、遣唐使によって、日本に伝わった薬草が、日本独自で発達した調合処方。中医学は中国の医学、中医薬は使用される薬です。それぞれ、独自で発達したため、共通の部分よりことなる部分が多いとされますが、利用される生薬はほとんど同じものです)
ツムラの加藤照和社長は同日、東京都内で開いた記者会見で「中国市場における中薬ナンバーワンブランドを目指す」と語った。同社は日本の処方用漢方薬で8割のシェアを握るが、中国事業は17年3月期でまだ数千万円しかない。28年に売上高1700億円と掲げた目標は、中国平安保険との提携効果への期待の大きさを物語る。
中国平安保険はクリニックチェーンを持つうえ、医師が登録されているオンラインの健康管理サービスなども実施している。提携を含め6千人の医師を抱え、1日の問診数は最大25万件にのぼる。そうしたルートで合弁会社の製品を販売する。合弁会社ではまず、生薬をお湯で煮出して飲む「刻み生薬」などを扱う。
加藤社長は中国平安保険が持つIT(情報技術)の力量にも期待し、「ビッグデータや人工知能を駆使したイノベーションで中国事業を切り開く」と話した。人手に頼っている生薬の選別を機械に任せたり、土壌や気温のデータを活用して生薬の栽培に生かしたりできる可能性がある。
高品質の製造技術を売り込むため、分析センターを20年ごろに設立したうえで中薬の製造体制を整える。分析センターでは他社から分析を受託する予定だ。
17年には中国で予防含めて健康的な人口を増やすために中薬などを活用する「中医薬法」が施行された。加藤社長は「品質の良い製品の採用は増えるはず」と期待する。
日本の漢方薬市場は1960年代以降に保険の対象になって成長してきた。ツムラは18年3月期の連結売上高が前期比5%増の1207億円となる見通し。計画通りなら、10年後には日本事業の売上高を中国事業が上回る。(西岡杏)
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